農薬除去の教科書 » 【種類別】野菜・果物に使われている農薬をチェック » いちご

いちご

いちごの栽培に農薬が必要な理由

いちごのイラスト

いちごの旬は4~6月ですが、今ではクリスマスの時期にショートケーキの需要があるため、旬をずらして作られるようになってきています。

旬をずらすため、苗づくりから収穫までの期間が長くなり、栽培期間が長くなるにつれて農薬の回数も増えるようになったと言われています。

まずはいちごの栽培になぜ農薬が必要なのか詳しく見ていきましょう。

いちごは果物の中でも特に病害虫を受けやすい

いちごは果物の中でも特に病害虫の被害を受けやすく、無農薬栽培が難しい果実です。

同じく、りんごも無農薬栽培が難しいと言われていますが、りんごの農薬使用回数が平均36回であるのに対し、いちごの農薬使用回数の平均は35~65回にも及びます。農薬の回数は、病害虫が発生しやすい温暖な地域ほど多くなります。

NHKで報道された内容によると、残留農薬のせいで海外への輸出ができない問題も起きているのだとか。いちごの生産1位である栃木県での平均農薬使用回数は52回。

生産量第2位の福岡県で63回、長崎県で65回となっています。これほど散布されていることを考えると農薬の残留量が多いのも納得できるでしょう。

季節を問わず生産できるようになったため

いちごの農薬残留率が高くなってしまったのは、生産するための環境と時期を強制的に作り出したことが原因です。

以前のいちごの旬は1〜2月で、屋根のない露地で栽培される果物でした。しかし、ビニールハウスで栽培されるようになり現在では4〜6月が旬になっています。それが農薬使用回数の増加の主な原因なのです。

いちご栽培を妨げる病害虫

では具体的にいちごはどのような病害虫にかかりやすいのか見ていきましょう。

いちごがかかりやすい病気

うどんこ病

葉の裏にカビが生じ、うどん粉を振りかけたような白い状態になります。病斑が見え始めた頃の農薬散布が大切です。

じゃのめ病

葉に紫紅色の小さな斑点が生じ、蛇の目のような模様ができてしまう病気です。うどんこ病と同様に発病初期の農薬散布が必要となります。

ネグサレセンチュウ

高温、乾燥条件のときに発生しやすく、生育不良や病斑を引き起こします。根付け時期に薬剤を散布して防除します。

いちごを襲う害虫

  • 生育不良を引き起こすコガネムシの幼虫、アブラムシ類
  • 葉や蕾を食害するハスモンヨトウ
  • 果実を黄化または褐変させてしまうミカンキイロアザミウマ
  • 葉裏に寄生して吸汁するハダニ類

など、さまざまな害虫が存在します。農薬を散布せずに収穫するのは非常に困難と言えるでしょう。

ハウス栽培が病害虫を増やす原因に

近年増えているビニールハウス栽培では、人工的に春を作り出すことで病害虫が好む高温・多湿な環境になります。これも農薬が増える要因となっているようです。

イチゴの原産国は南北アメリカ大陸です。「そもそも日本の土壌や気候に合っていない」と、農家や専門家からの指摘もあるのだとか。しかし、ビニールハウスを使用することで気候の問題を解決しました。

いちごは、繊細な果物で、炭疽病・うどんこ病・ハダニ・アブラムシと被害を受けやすい果物です。イチゴを襲う病害虫から守るために、使用が認可されている農薬の数が多いというのが現状。

とはいえ、出荷前にいちごが全滅してしまうのは農家にとっては命取り。そのため、農薬に依存しなければならないという状況になってしまうのです。

有機栽培のいちごを選ぶべき?

有機栽培されたいちごは、全体の0.002%しかありません。病害虫の影響を受けやすいいちごを有機栽培するのはとても難しいのです。それでも、さまざまな努力を重ねて有機栽培に成功している農家もあります。

どうしても有機栽培のいちごが欲しい場合は、農林水産省が基準を決めている有機JASマークを目印にしましょう。

有機栽培のいちごと通常のいちごの価格の違い

有機栽培されたいちごは、1パック(9~12粒入り)で6,000円前後です。通常のいちごが1パック500円前後で売られていることを考えると、約12倍の価格になります。

有機栽培いちごを作るのは並大抵のことではありません。長年のノウハウを駆使し、栽培方法を工夫する必要があります。とても手間がかかってしまうため、それだけ価格も上がってしまうのです。

有機栽培にも農薬が使われている?

有機栽培のいちごとはいえ、まったく農薬を使っていないわけではありません。有機栽培では、化学合成された肥料や農薬の使用は厳禁ですが、天然成分の肥料や農薬なら使用が許可されているからです。

天然成分の農薬でも殺菌効果や殺虫効果があるため、きれいに洗うことは必須だといえます。どんな方法で栽培されたにせよ、いちごを食べる際はしっかいと洗いましょう。

いちごの残留農薬を取り除くには

基準を満たしたいちごとはいえ、残留農薬が気になってしまうもの。ここでは、残留農薬の落とし方を紹介します。

流水で洗う

いちごは、りんごやみかんのように皮で覆われているわけではなく、また果実をそのまま食べるものなのでしっかり洗ってから食べることが大切です。30秒以上しっかり洗うことをおすすめしますが、いちごは傷つきやすいので優しく洗いましょう。

塩水で洗う

少量の塩を水に混ぜて洗います。ボウルに塩水を入れて軽くかき混ぜるだけ。適度な塩分がいちごの甘さを引き立ててくれる効果も。ただし、塩水で洗うと傷みやすくなったり、農薬が染みこんでしまうといった危険もあるので、最適な方法とはいえないかもしれません。

酢で洗う

水7:酢3の割合で混ぜたものをボールに入れて、一晩置きます。翌日、キッチンペーパーで水分を切って冷蔵庫へ。食べる直前に流水で洗います。お酢で洗うとカビにくくなるため、傷むの遅らせる効果もあるそうです。

重曹に浸ける

ボウルに水を入れ、スプーン1杯の重曹を加え、いちごを浸けます。20~30秒ほど浸けましょう。取り出したら流水で軽く洗って終了です。

水素水に浸ける

手軽に残留農薬を除去したい方は、水素水に浸けるという方法をおすすめします。水素水の還元力と浸透力によって、農薬を短時間で除去可能です。

洗いすぎるとビタミンなど栄養成分が流れ出てしまう可能性も

必要以上に洗いすぎるといちごに多く含まれるビタミン類が水に溶けだしてしまう可能性があります。そのため、長く浸けておくのは要注意です。洗う際はヘタを取らずに洗うとビタミン類の流出を防げます。どうせならデザートで美味しくいただいて、栄養も摂取しましょう。

食べる直前で洗う

いちごは水が付着しただけでも傷みはじめてしまうフルーツです。すぐに食べないものまで洗ってしまうと、水を含み過ぎて傷みやすくなります。そのため、食べる直前に洗いましょう。農薬は表面にある凹凸部分に付着しやすいといわれているので、念入りに洗うことをおすすめします。

水素水で残留農薬を洗浄する

いちごの残留農薬は水素水の浸透力を利用することで、効果的に除去可能です。ビタミンを豊富に含んでいるいちごは、食品衛生法に基づいて残留農薬の基準は決められています。しかし、口に入れるものなので、できるだけ残留農薬は取り除いておきたいものです。

農薬はいちごの栽培のために必要なものですが、収穫された時点で農薬は役目を終えています。そのため、摂取する必要のない残留農薬は除去しておいたほうが無難です。

いちごの付着した残留農薬を除去する方法は、水洗をはじめ、塩や重曹で洗うなどがあります。しかし、実の奥まで浸透している残留農薬はなかなか除去できないものです。水素水を使用すれば浸けておくだけで、いちごの残留農薬を簡単に除去できます。洗う手間を省けるので、空いた時間を有意義に使いましょう。また、飲んでも問題ないものなので、身体への悪影響もありません。

※水素水の農薬洗浄試験で実証されているのはクロロタロニルという農薬です。