menu
青森県が生産量第1位を誇るりんご。冬の果物の中では代表格で、日本人にとって馴染み深い果物ですね。そんな、親しみのある印象とは裏腹に、りんごはアメリカの果物・野菜の中で農薬の使用量がワースト2位で、多くの農薬が使われています。
りんごの農薬量が増えてしまうのは、病害虫の害が起こりやすいためです。安定した収穫を確保するためには農薬が欠かせないのが現状です。まずはりんごがどのような病害虫の被害にあうのか見ていきましょう。
など、4月~8月末くらいまでは菌に侵されるリスクが非常に高いと言われています。
上記のような病虫被害も起こりやすく、農薬を使用せずに栽培するのは不可能と言われるほど、栽培が難しい作物なのです。
加えて、肥料や消毒、農薬を何度も使用するので、残留農薬の量は増加する傾向にあります。
りんごに使われる農薬はいくつかありますが、なかには世界諸国が規制を進めている農薬が許可されているケースもあります。
アブラムシ類の防除に用いられるネオニコチノイド剤は、ミツバチの減少への関係性や、人間の脳や神経の発達にも関わる可能性があるとして、世界諸国が規制を進めています。
安定した収穫量を確保するために、りんご栽培では農薬の使用はやむを得ません。農薬の種類や使用量も、諸外国よりも緩いものの、一生取り続けても問題ないであろう基準を設けているのは確かです。
農薬が気になる方は有機栽培のりんごの購入も視野に入れると良いでしょう。有機栽培とは、人工的に作られた科学肥料や農薬などの無機化合物を使わずに、天然物質の肥料や農薬のみを使用して野菜や果物を育てることです。
有機栽培は日本農林規格(JAS)が規格を設定しているので、認定されている野菜には「JASマーク」が表示されています。有機栽培のりんごを購入したいならJASマークを基準に選ぶと良いでしょう。
有機栽培のりんごは栽培に手間がかかるため、通常のりんごよりも価格が高いのが一般的です。
通常のりんごが1個200円前後で購入できるのに対し、有機栽培のリンゴは、1個700円前後という価格で売られています。また出荷数が少ないので、流通量が少なく入手しにくいのが難点です。
近くのスーパーで購入できなければ、ネット注文も可能。ほとんどの場合、1個ずつではなくキロ単位のも購入になります。1箱2kg(5~7個)入りで4,000円前後。日常的に食べるのにはちょっと高すぎるかもしれません。
有機栽培でも使用を認められている農薬があります。天然成分で作られた農薬が対象です。
たとえば、炭酸カルシウムでも天然鉱石を粉砕したものなら使用しても有機栽培として販売できます。しかし、天然成分だとしても農薬ではあるため除去したほうが無難です。
結局のところ、有機栽培のりんごでも通常のりんごでも、汚れと一緒に洗浄したほうが良いでしょう。
残留農薬は基準値が国で定められており、そのまま食べても問題ないといわれています。しかし、残留農薬はすでに役目を終えた存在なので、わざわざ摂取する必要はありません。
少しでも農薬が気になるという方は、しっかりと洗浄して食べることをおすすめします。
農薬の基準を満たしているので口にしても問題ないとはいえ、農薬が付着していると考えると気になって仕方がないという方もいるでしょう。そこで簡単な農薬の落とし方を紹介します。
水溶性の残留農薬は水洗いをすることで、ほとんど落とすことができます。おそらくほとんどの方がりんごを食べる前に行っている方法ではないでしょうか。りんごに付いた汚れもおとせるので一石二鳥です。ただし、他の方法とくらべると残留農薬の除去量は少ないのが難点。必要最低限の除去方法といったところでしょうか。
りんごの皮の表面に少量の塩や酢をつけてもみ洗いします。塩と酢が残らないように水で流せばOKです。また、塩水や酢水につけて全体を洗うことでも農薬を落とせます。この場合は、30~60分ほど浸けたあとに水洗いしましょう。残留農薬はもちろん、アク抜きの効果もあるので一石二鳥です。
重曹は水洗いでは落とすことができない油性の残留農薬を落とすのに最適です。油性の残留農薬は重曹と結合することで、親水性と親油性の性質を持つ石鹸に変化します。あとは、水で洗い流すだけです。
重曹水の作り方は、1リットルの水に重曹を大さじ4杯ほど入れて混ぜるだけ。あとは、その中にりんごを入れてスポンジで洗います。重曹のパッケージに載っている使用法もしっかりと確認してください。
野菜洗い用の洗剤をはじめ、食器用の洗剤の中には野菜や果物洗いに使えるものがあります。ホタテパウダーを使っている野菜洗浄専用の洗剤もあるので、試してみてはいかがでしょうか。野菜や果物を洗える洗剤は、食品衛生法で定められています。成分規格で決められている使用基準は「ヒ素・重金属・メタノールなどを含有していない」「中性である」、「酵素や漂白剤を含有していない」です。これらの条件を満たした洗剤が、野菜に使用できます。
また、洗剤なので洗浄後はしっかり洗い流すことが大切です。洗剤の中には目や口に入た場合は医師に相談するようにと書かれているものもあるので、取り扱いには十分注意してください。
りんごをさっと茹でることで効果的に残留農薬を除去できます。全体が浸かる程度の沸騰したお湯に15秒ほど、りんごを投入。取り出してすぐに流水で洗えば、りんごが温まってしまうことはありません。
農薬除去の新しい方法として注目されているのが、水素水に浸けるという方法です。方法はいたって簡単で、水素水を貯めたボウルの中にりんごを浸けるだけ。水素水の浸透力で周りに付着した農薬を除去してくれます。
飲料水用としても利用でき、口に入れても問題ありません。りんごを浸けたあとはさっと洗い流すだけでOK。手軽に始められるので、一度試してみてはいかがでしょう?
ちなみにりんごの皮にはたくさんの栄養素が詰まっています。健康面を考えると皮ごと食べるのがおすすめです。栄養素は以下の通り。
りんごに多く含まれている抗酸化作用の強い成分。活性酸素を抑制し、血流を改善する効果に期待できます。コレステロールや中性脂肪の低下にも期待できます。
抗酸化作用が高く、活性酸素を取り除き、血管を修復してくれる成分です。お茶に含まれているカテキンは、エピカテキンが加熱処理によって形を変えたものです。りんごの皮に含まれるエピカテキンを直接摂取することで、より高い効果が期待できます。
アントシアニンは植物が紫外線から身を守るための成分。摂取することで視力や眼精疲労の予防、白内障などの眼病を予防に期待できます。また、メタボリック症候群や花粉症にも効果があると言われています。
ペクチンは別名「りんごペクチン」と呼ばれる、りんごの皮と実の間に含まれる水溶性食物繊維。高いデトックス効果があって、コレステロール値を低下させてくれます。また血糖値の上昇を抑制するほか、整腸作用や内臓脂肪を分解する作用もあるそうです。
カリウムは体内の余分な塩分を排泄し、高血圧や動脈硬化などを予防してくれる成分です。また利尿作用もあり、むくみを解消してくれます。筋肉痛や痙攣の予防にも効果的なのだとか。りんごの皮に多く含まれている成分で、「加熱」「すりおろし」をしてもなくなることはありません。
りんごを選ぶときは、ツヤのないものを選ぶことをおすすめします。リンゴの表面がテカテカ光っていると見た目は良いので選びがちですが、これは糖分が皮の表面に出ている現象です。中身の糖分が出ているため、甘みがなくなっている可能性があります。
りんごの上部にあるツルが太いものは、十分に栄養を蓄えて成長した証です。またツルがみずみずしい物はより新鮮度が高いといえます。
全体的が均一に色づいているリンゴを選んでください。パッと見だけではなく、しっかりとリンゴを手に取り、下部まで色づいているかを確認すると良いでしょう。
売られているリンゴを両手に持ち、重みや香りなどを比べてみましょう。それぞれに違いがあることがわかります。より重い・より香りが良いものがおいしいりんごを選ぶポイントです。
水素水を使用することで、りんごに付着した残留農薬を効率良く除去できます。流水や野菜用の洗剤も効果的ですが、完全に残留農薬を除去することはできません。とくにりんごを皮ごと食べたいときは、徹底的に落としたいもの。農薬が使われているからダメというわけではなく、きちんと処理することで除去できます。
水素水はもともと飲料水として利用するものなので、口に入れても問題ありません。しかも、りんごを浸けておくだけでいいので、洗う手間が省けます。短時間で確実に残留農薬を除去したい方は、水素水を利用してみてはいかがでしょうか。
※水素水の農薬洗浄試験で実証されているのはクロロタロニルという農薬です。