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虫食いの野菜や果物は食べてもいいの?

虫食いがある野菜だから安全というわけではない

無農薬で野菜を育てると、ほとんどの場合虫が発生します。「虫がいるのは無農薬で安全な証」と思う方もいるのではないでしょうか。

しかし、虫が発生している野菜が必ずしも安全ではないということを覚えておいてください。

虫食いのある野菜がダメな3つの理由

虫が野菜を食べるのには、理由がちゃんとあります。ほとんどの場合、野菜を育てる環境が悪いと野菜が健康に育たずに被害を受ける傾向にあるのです。その理由は大きく3つに分けられます。

  • 肥料が多すぎるため
  • 育て方が悪いため
  • ミネラル分が足りてないため

以下に具体的な内容をまとめたので、チェックしてください!

理由1.肥料が多すぎるため

野菜は成長するために、さまざまな栄養素を土中から吸収します。吸収した栄養素を基に葉や茎を成長させていくのです。通常、野菜を育てるときは土に肥料を混ぜますが、トマトとニンジンでは肥料の量が違います。畑の状況によって、どれぐらいの量の肥料を入れるかは、農家にとっても難しいところだといえるでしょう。

野菜をすくすく育てるために肥料は多めになる傾向がある

肥料不足を避けるために、農家は多めに肥料を投入する傾向にあります。それは野菜が育たないと死活問題になるからです。その結果、野菜は多すぎる肥料を吸って育ってしまいます。

肥料の多い野菜はメタボリックな野菜

肥料を多く吸収した野菜は、必要以上の養分を体に蓄えます。人間に例えるなら、肥満体型の人です。野菜に蓄積された養分は、虫にとって美味しいごちそうになり、虫食いが発生します。

つまり、虫食いのあとがある野菜はメタボリックな野菜だといえるでしょう。肉に例えるなら霜降りのお肉です。食べると脂身がとろけて柔らかく美味しいと感じます。

美味しい野菜は栄養に偏りがない

しかし、栄養や旨みは赤身の部分にこそあります。健康に育ったお肉は赤みが美味しいのです。野菜も同じように、美味しい野菜は栄養に偏りなく健康に育ったものだといえます。無農薬の野菜を選ぶ場合でも、虫食いのない野菜を選ぶと良いでしょう。

理由2.育て方が悪いため

栽培技術の優れている農家は、素人が見てもきれいな畑です。すみずみまで目が行き届いていており、野菜をよく観察しています。まるで自分の子供のように大切に育てているのです。

虫食いの多い野菜は農家の監督不足?

一方で虫食いの多い野菜を育てる農家は、放任と監督不足を勘違いしている場合がほとんど。自然に任せていれば、野菜が育つと思いこみ手入れを怠っています。

もちろん、過保護にするのも良くありませんが、何もしないのも良くないといえるでしょう。畑の状態を見極めて、状況に合わせ少し手助けをしてあげるのが良い育て方です。

虫食いの多い野菜は技術力が足りていない!

肥料の量の調整は、野菜の色や大きさなどから判断可能です。それを知らずに何もしないでいることは、農家の技術が足りないといわれても仕方がありません。

このような理由から、虫食いの多い野菜は技術力が不足した農家が育てた野菜だといえます。健康状態の良くない野菜は、体にも悪いので避けましょう。

理由3.ミネラル分が足りていないから

野菜の育成にはミネラルが欠かせない

野菜も生きていくうえで多くのミネラルを必要とします。野菜は土中から必要なミネラルを吸収して成長するので、栽培技術の優れた農家は土中に不足しがちなミネラル分を補給するでしょう。しかし、ほとんどの農家はミネラルの重要さを意識していません。

ミネラル不足の野菜は体力が弱まり虫が付きやすくなる

野菜にミネラルが不足してしまうと、光合成が上手くできなくなり、体力が落ちて弱ってしまいます。そうなると、虫たちが寄ってきて、野菜を食べ始めてしまうのです。

ミネラルが十分に足りていて、生命力の強い野菜は、虫にとっても寄り付きがたい存在だといえます。

また、ミネラルが不足した野菜は栄養価も低くなっているうえに美味しくありません。ミネラル不足で虫食いのある野菜は、身体に良いとはいえないでしょう。

農薬を使っている野菜でも安全な食べ方はある

「虫食いは無農薬の証だから安全だ」というのは、無農薬だけに視点をあてれば、間違ってはいません。本当に体によくて安全なのは「無農薬でも虫食いがない野菜」ですが、なかなかそんな野菜はないでしょう。

とはいえ、農薬を使用している野菜でも、きれいに除去してあげれば安全に食べることが可能です。農薬の正しい除去方法を知って、身も心も健全に過ごしましょう。