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農薬と一口に言っても用途はさまざま。農林水産省では、目的に応じて以下の7つの種類に分類しています。
細菌、カビ、ウイルスなどの微生物を殺し、農作物の害を防ぎます。農業用には、ボルドー液、硫黄剤などの無機化合物のものと、塩素やリンを使った有機合成化合物があります。
農作物にとって有害な害虫を退治したり、近づけなくする作用を持つ農薬です。農作物用の殺虫剤には、リンや酸素、炭素などを含む化合物質から作られる有機リン系殺虫剤がよく使われています。
殺虫と殺菌が同時にできる薬剤です。植物につく害虫と病気を同時に防除します。
農作物の生育を妨げる雑草を防ぐものです。作物には無害で、雑草だけを枯らす選択制除草剤もあります。
植物の背丈を抑制したり、種無しブドウを栽培したりする際に使われます。
農作物に害を与えるノネズミを駆除する目的に作られた薬剤です。
鶏や獣が嫌う臭い、味、色を利用した忌避剤や、昆虫が特定の臭いに引き寄せられる性質を利用した誘引剤、薬剤が害虫の体に付きやすくするように添加する展着剤などがあります。
農薬が人に及ぼす影響は、さまざまな試験に基づいて確認されています。農薬を登録するためには、数多くの毒性試験をする必要があり、農薬の安全性が認められてから販売することが可能になります。
試験には「急性毒性」、「亜急性毒性」、「長期毒性」、「次世代への影響」の4つの基準があります。それぞれ、農薬が口から入った場合、皮膚から入った場合、吸入した場合の違いや、毒性の性質についての試験も行われます。そのほか、細かな試験が数多く存在し、すべてをクリアした農薬だけが使われているのです。
基本的には、人体に影響のある農薬は使われておらず、使用量や使用方法をコントロールすることで安全性が確保されています。しかし通常は安全である食品も、度を超えるような量を摂取したり、長期的に反復して体内に入れると体の機能に障害を及ぼします。
例えば、体重が50kgの人が150gの塩を服用すると、半分の人が死んでしまうと言われています。しかし、適量であれば食事を美味しくしたり、保存性を高めてくれます。
農薬に限らず、化学物質は何かしらの影響があります。私たちが日常に摂取している食べ物のなかには、農薬より急性毒性が強い物質も存在するのです。
農薬は確かに大量に摂取するのは良くありませんが、日本国内の農作物においては入念な試験を経た物が使われているのは確かです。過剰に避ける必要はないと言えるでしょう。
■参考サイト 農林水産省: 農薬の基礎知識 詳細