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お菓子作りや掃除の際に活躍する重曹は、野菜や果物の病気の防除や農薬除去にも有効なのをご存知でしょうか。
重曹は、炭酸ナトリウムという名称で、自然界で存在するナトリウム化合物の中で、最も弱いアルカリ性の物質です。
油汚れなどの酸性の汚れの除去が得意で、安全性や効果の高さから、掃除に活用する人も増えています。
重曹が農薬除去に適している理由は、農薬の多くが酸性だからです。
重曹を溶かすとアルカリ性の水溶液ができるため、酸性の農薬が中和され、農薬が野菜から離れやすくなるとの原理です。アルカリ性の成分を利用したホタテなどの天然由来の野菜用洗剤と同様に、弱アルカリ性の重曹も農薬を除去できると考えられています。
実際にアメリカの家庭では残留農薬を落とすために重曹が広く使われています。理論的には農薬を落とす力がありますが、重曹の農薬除去効果を研究する人は少なく、科学的に立証されていません。そのため、経験則の側面が強いという声もあります。
1リットルの水を張ったたらいに大さじ4杯ほどの重曹を入れ、野菜を入れたら30秒~1分ほど放置します。その後、水で洗い流したり、スポンジなどでこすり洗いをしたりします。
住宅用の重曹は原料が不明なので、必ず食用を使用しましょう。また、長く漬け過ぎると栄養素が溶け出てしまうため、注意が必要です。
重曹は安価で購入できるため、家計に大きな負担を与える心配がありません。流水だけでもかなりの農薬が落ちますが、より多くの農薬が落ちると言われていますので、少しでも農薬を除去したい人は、試してみる価値があるでしょう。
前述の通り、重曹による残留農薬の除去効果はエビデンスがなく、信頼性に欠けます。
また、ホタテ由来の野菜用洗剤よりも殺菌力は弱く、効果はマイルドだと言われています。重曹につけるとビタミンが逃げる恐れも指摘されています。