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みずみずしい食感と爽やかな甘みが魅力の梨。秋になるとスーパーに様々な品種が並びますね。
当たり前のようにきれいな梨が陳列されていますが、梨は病気に弱い作物で、生産者が丹精込めて育てていても、大きな被害を受けることも少なくありません。そのため、梨の栽培はどうしても農薬を使わざるを得ないのです。
気になる農薬使用量ですが、日本の農薬基準値は世界基準に比べると緩いため、他国よりも多量の農薬が使われている傾向にあります。
もちろん、日本が定めた基準値は、毎日摂取しても健康に影響がない量になっています。それでも多くの農薬が使われていることもまた事実です。
二十世紀梨が感染しやすい。毎年大きな被害が出るため、梨最大の難病と言われています。品種改良の末、ゴールド二十世紀のように黒斑病にならない品種もありますが、越冬の際には農薬の散布が必要になります。
幸水などの赤梨に発生しやすい病気です。開花~落花期にEBI剤(エルゴステロール生合成阻害剤)という農薬を散布することが多いです。
西洋梨に見られる病気ですが、最近は日本梨への感染も増えています。
品種問わず発生しやすい病気ですが、大きな被害には至りません。
根に感染する病気です。
枝や幹に感染し、枯らしてしまいます。
最近では、葉よりも果実を吸汁する害虫の被害が増えています。代表的なのは下記の通り。
一部の害虫は農薬によって防除できるようになりましたが、なかには農薬を使っても防除できない害虫もいます。
残留農薬がどうしても気になるという方は、有機栽培の梨を購入することを視野に入れてもよいでしょう。有機栽培は、化学合成で作られた肥料や農薬の使用せずに作物を育てます。
日本農林規格(JAS)が規定した基準を満たした農家だけが認定を受け、「JASマーク」を付けられるのです。有機栽培の梨が欲しい場合は、JASマークを目印にしてください。
有機栽培の梨はほとんど出回っていませんが、購入する場合は2.5kgで3,000円前後になるようです。農薬を使用した梨であれば、2.5kgで2,000円前後なので、有機栽培の梨は1.5倍ほど価格になります。
出回らない理由としては、病害虫に侵されやすくなるので収穫量が落ちてしまうから。流通する量が少ないので、価格も上がるという訳です。
有機栽培とはいえ農薬を使用している場合もあります。農薬には化学合成されたものと自然成分で作られたものがあるのです。
JASが使用を禁じているのは、化学合成された肥料と農薬だけで、天然成分のものは使用が許可されています。そのため、有機栽培も通常栽培も農薬を除去するのは必須です。食べる前にはしっかりと洗いましょう。
梨に使われる農薬の大半は皮の表面に残りますが、市場に出ているものに関しては、安全基準を通過しています。ですが、安全性に不安を抱く人も少なからずいるでしょう。
今回は梨についた残留農薬を取り除く方法を紹介します。
水で、しっかり洗います。水道代以外のコストもかからず、簡単にできます。農薬は水溶性のものが多いため、水で洗うと溶けて流れ出てしまいます。
ですが、必ずしも水溶性とは限りませんので、つけ置きするのであれば水は流し続けてください。
自然環境だけでなく、人体にも優しい万能粉石鹸ピリカレ。洗濯用洗剤、食器洗い、歯磨き粉などとしても使えるほか、野菜洗い、菜園の害虫対策や、肥料の代替にもできる万能石鹸です。
果物・野菜の除菌・農薬除去には1000倍に薄めたピリカレ水に15〜30分つけ置きするだけ。ピリカレ水に漬けることで、シャキシャキした食感が楽しめるのも特徴です。
エスフィンサンゴは、水の浄化、脱臭、土壌改良などのサンゴの性質を活かした洗剤です。適量の水をいれたボウルにエルフィンサンゴ小さじ1~2杯を溶かしエルフィン水を作ります。エルフィン水に30分〜1時間つけ置き。シャキッとした食感がよみがえります。
2Lの水に安心やさい1包(1g)を溶かして安心やさい水をつくります。つけ置き5~10分程度で、農薬を含む有害物質を除去してくれます。
高い抗菌効果のあるホッキ貝の貝殻が原料の安心やさいは100%天然除菌洗浄剤。人にも地球環境にも優しい製品です。
適当な大きさのボウルに重曹小さじ2杯で重曹水を作り、梨を浸します。あまり長く浸しますとビタミンが流れてしまいますので、1分以上はつけないように。その後は、丁寧に水で洗います。つけ終わった重曹水は、再利用も可能。お掃除や食器洗いに使えます。重曹は、掃除用でなく、食品用を選ぶことがポイントです。
50℃前後のお湯で洗います。沸騰したお湯と同じくらいの量の水を混ぜれば、50度程度の温度のお湯になります。1〜2分程度のつけ置きで大丈夫ですが、長くつけるときは温度に注意してください。43℃以下になると菌は増殖してしまいますので、時々熱いお湯を追加するなどして、高温を保つ必要があります。
水3に対し酢1の割合で酢水をつくります。酢水で丁寧に洗った後に、流水でよく洗います。酢には高い殺菌・防腐効果があります。ただし、果物の果肉の色が黄ばんだ色に変色してしまうこともあるので、覚えておきましょう。
地球上にある分子の中でもっとも小さい原子である水素。そのため水素水の浸透力は非常に優れ、野菜・果物などにすみずみまで入り込み、付着した残留農薬を排出させることができます。
ボウルなどに水素水を入れ、梨をそのまま水素水に浸けておくだけでOK。水素水の浸透力と還元力で、梨の表面に付着した農薬を落としてくれるのです
透明だった水素水が、時間とともにやや黄色く濁ります。
野菜や果物専用の洗剤と違い、口にしても大丈夫なので、小さなお子さんがいる家庭でも安心して使用でき、手軽に始めることができますよ!
梨に付いた農薬の洗浄方法を知った方にもう1つ知って欲しいことは、梨の皮の栄養素について。実は梨の皮にはとても栄養が含まれているんです。普段は捨ててしまうものですが、この機会に是非知っておいてください。
カリウムは細胞にあるナトリウムとバランスをとることで細胞を正常に保ち、血圧を調整してくれる効果があります。また体内の健康状態を維持するのにも役立っています。
ソルビトールという成分はフルーツの中で、梨に最も多く含有されています。腸の働きを促進させて、便を柔らかし、排出を促す作用があるそうです。
プロテアーゼはタンパク質を分解する酵素。タンパク質は、複数のアミノ酸がペプチド結合したものです。タンパク質を分解してアミノ酸に変換する役割を持っています。
たんぱく質の消化吸収を助けることで、胃腸の負担を軽くする効果も。消化不良・胃もたれ・胸やけなどを防いでくれるため、胃腸の健康を保つ効果にも期待されています。
食物繊維は人間の消化酵素で分解できない成分です。以前はお通じを改善してくれる成分という認識でしたが、研究によって食物繊維の健康への有効性がわかってきています血糖値の上昇を抑制し、コレステロールの排出にも一役買います。
糖質の消化や吸収を緩やかにしてくれる効果があるので、体質改善をしたいという人にもおすすめです。
クエン酸は代謝に関係する成分です。クエン酸を摂取すると体内での代謝が促進されます。また、疲労回復効果にも期待できるそうです。
クエン酸を摂取することで、疲労の原因となる物質を分解して疲労を緩和。運動をしたあとの筋肉痛の防止効果もあります。
体内の鉄分は、約70%が血液中の赤血球をつくっているヘモグロビンの成分です。約25%は肝臓に蓄えられています。
鉄分が主成分であるヘモグロビンは、体内で酸素と結びつき、肺から体のすみずみまで行き渡らせているのです。
アスパラギン酸はクエン酸回路に働きかけ、疲労の原因である乳酸の分解を促進させます。筋肉の収縮に必要なグリコーゲンの生成も促進してくれるため、スタミナをアップする効果も期待できます。
普段なら捨ててしまう梨の皮を美味しく食べられるレシピをご紹介します。
梨の皮を剥き刻みます。千切りにしたピーマンを先に炒め、次に梨の皮と調味料(醤油・砂糖・酒)を入れ軽く炒めます。
ある程度炒めたら、胡麻と一味をかけて完成です。皮を厚めにむくと、シャキシャキとした食感が楽しめますよ。
梨の選ぶときのポイントは「肩(上の部分)」と「尻(下の部分)」です。肩が張っているような感じで、尻がふっくらと豊かなものを選ぶことをおすすめします。あまり丸いものは避けたほうが良いでしょう。
大きいと味が薄いというイメージを持つ人もいると思いますが、梨は大きい方が味は良いとされています。
梨の皮はざらざらしています。「ざらざら感」が強い梨は十分に熟していないというサインです。梨は熟すにつれて、表面のザラザラがなくなっていきます。食べごろになるとツルツルな手触りになることを覚えておいてください。ちなみすぐに食べない場合や、お土産として持って帰る際は、ちょっとザラザラなものを選ぶと長持ちします。
表面が柔らかくなっている梨は熟を通り越している場合があります。独特の食感と甘みを味わいたいのなら、柔らかいものより硬いものを選ぶのが大切です。
同じサイズの梨でも、両手に持って重さを比べると意外と違うもの。重い方がより果汁もあり、中身も引き締まっているので、おすすめです。
※水素水の農薬洗浄試験で実証されているのはクロロタロニルという農薬です。