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なすはインドから中国、中近東に伝わり、日本でも1000年以上に渡って親しまれている夏野菜です。なすは病虫害に弱いため、農薬の使用が欠かせません。
なすの栽培過程では、半枯病や褐紋病などの病気が発生します。またテントウムシダマシ類やウスミドリメクラカメムシが食害を起こす場合も。それらを防ぐ目的で、有機リン系や有機塩素系など農薬が使用されています。
残留農薬を口にしても問題ありませんが、すでに農薬は役目を終えていますので、農薬が気になるという方は除去するのがベストです。
糸状菌に感染することで発症します。この土壌伝染性病原菌は、なすのみに感染するそうです。初期症状は、下葉の片側が、葉脈に沿って網目状に黄変。その後、葉全体が黄化して葉が落ち、徐々に上葉に広がります。植物の一方の側により強く現れるのが特徴です。
病原菌は土の中で長期間生きることができ、密度が高くなると取り除くのがむずかしくなります。多く発生する畑では、クロピクフローやキルパーなどの農薬が使われているようです。
感染すると果実の表面にくぼみや褐色、円形で輪郭が明瞭な輪紋のある斑点が発生。時間が経つと黒色の小粒点が出てきます。被害を受けた実は落下することもあれば、そのまま黒変してミイラ状になることも。
二次伝染源を防ぐために、農家は被害を受けた茎葉や実を見つけたら摘除し処分しますが、ベンレート水和剤という農薬の散布をすることもあります。
糸状菌が感染することで発症します。被害を受けた作物上で生き続け、胞子を形成して飛散させることにより感染を広げます。果実に発生することが多いですが、茎葉や葉柄などに症状が出ることも。実に出る症状は、くぼんだ大型斑点が出て、表面に灰色のかびが密生します。
防除薬剤としてファンタジスタ顆粒水和剤・アフェットフロアブル・セイビアーフロアブル20・ベルクートフロアブル・ジャストミート顆粒水和剤・カンタスドライフロアブル・ピクシオDFなどの農薬が使われているそうです。また耐性を持つ菌が発生しやすい病害なので、複数の農薬を使用することもあります。
糸状菌の感染が原因の典型的な土壌伝染病です。畑周囲の雑草に寄生し、野菜に感染を広げます。初期症状は片側の下葉の葉脈間に不鮮明な淡黄色斑が発生。しおれて葉が上方に軽く巻き上がる場合もあります。時間が経つと症状は葉の全体に拡大。最終的には、株全体の葉がしおれて枯れてしまいます。
土壌消毒のためにバスアミド微粒剤・キルパー・トラペックサイド油剤・クロルピクリンくん蒸剤といった農薬が使われています。
成虫と幼虫が葉を階段状に食い荒らします。成虫は体長7~8ミリで赤褐色に丸く黒い模様がたくさんあるのが特徴。幼虫は体長2~6ミリで白っぽいタワシ状。被害を受けた部分は白くなって、褐色に枯れ始めるそうです。葉だけなく果実も食べ、食べた痕は階段状になります。アクタラ顆粒水溶剤やディオン乳剤などの農薬が駆除に使われているようです。
発芽期から幼虫が葉の組織から汁を吸いだすため、多数の穴が開いた状態の葉になります。つぼみが被害にあうと、そのままなくなる場合も。前年に被害を受けた場合は、葉が出る前にモスピランという農薬を散布するようです。葉の破れが目立つようになってからは効果が期待できないので、早い段階で散布する必要があります。
成虫は体長12~16mmです。基本的に体色は緑色ですが、変異が多いため、色が変化する場合もあります。雑草除去をすることで、発生を抑えられるとのこと。駆除する場合は、マラソンという農薬を散布します。
成虫は15~20mm、成熟幼虫は20~25mmにもなる蛾の仲間です。幼虫がなすの茎に入り込んで中から食べ始めます。6~10月に数回発生し、夏季には高温少雨の状況になると大量発生。アタブロン・スミチオン・トレボン・パダンという農薬を散布することで駆除できます。
農薬の有無が気になるという方は、有機栽培されたなすを選択するという手もあります。なすは全国各地で作られていますが、有機栽培の認定を受けて生産している農家はあまりないようです。
有機栽培かどうかを見分けるには、「有機JASマーク」を確認するだけ。厚生労働省が決めた基準に従って登録認証機関が検査を実施し、クリアした農家のみが認可されます。
厳しい基準が定められているので、残留農薬の心配なく食べられるのが特徴です。
有機栽培で育てられたなすは、1本180円前後で販売されています。スーパーで販売されているなすが1本60円前後だと考えると、約3倍の価格です。
有機栽培は病害虫から守るための手入れに時間がかかります。さらに化学肥料を使わないことで収穫量も減ってしまうのです。その分、農薬の心配がない作物を収穫できます。手間暇や収穫量、付加価値が有機栽培されたなすの価格なのです。
有機栽培とはいえ、まったく農薬を使用していないわけではありません。有機JASマークの記載があるものでも、天然成分で作られた肥料が使われている可能性があります。
厚生労働省が取り決めている有機栽培の基準は、「化学合成された肥料・農薬の使用禁止」です。つまり、天然成分なら問題ないということ。
また、有機栽培の場合、害虫や細菌が付いていることも考えられます。有機栽培であろうとなかろうと、なすを食べる前にはきれいに洗うことが必須です。
流水で水洗いをするだけでも、水溶性の農薬をほとんど落とすことできます。念入りに行ないたい場合は、塩をふって3分おいたあとに、流水で洗い流しましょう。
最初に流水で30秒ほど、手でこすってよく洗いましょう。その後、熱湯にくぐらせることで、効果的に農薬を除去できます。
食器用洗剤の中には野菜洗いにも利用できるものがあります。またホタテパウダーからできた野菜専用洗剤もあります。いずれも口に入るとキケンなので、洗ったあとはしっかりと洗い流す必要があります。
分子の小さい水素を含んだ「水素水」に浸け込むだけでも農薬を除去できます。水を流し続けたり、手でこすったりしなくて済む方法です。また水素の分子が奥深くに染み込むため、表面に付着した農薬を取り除くことができると言われています。
野菜用洗剤などはしっかり洗い流す手間がかかりますが、水素水は口に入れても問題ないので、小さなお子さんがいる家庭でも安心して使用することができます。
なすの鮮度を見分けるときはまずヘタの状態を確認してください。黒く色づいており、トゲが痛いぐらいが鮮度が高い証拠です。
なす全体的な形がふっくらとした感じで、首の部分まで太いものを選ぶことをおすすめします。ひょうたんのように首が細いなすは、食べごろではないため避けるほうが無難です。
色で判断する場合は、黒光りしているなすを選ぶといいいでしょう。黒々としており表面に光沢があるものは、日光を十分に浴びて育った証拠です。
内部の水分が蒸発すると実がしぼみ、表面にシワが出てきます。なすの鮮度を見分けるためのポイントなので覚えておきましょう。
※水素水の農薬洗浄試験で実証されているのはクロロタロニルという農薬です。