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かんきつ類

かんきつ類は虫の害を受けやすい

レモンのイラスト

かんきつ類には害虫が多く発生し、抑制するのはとても難しく、農薬を散布しないとカメムシの害は防げないと言われています。

農薬を使わずにいると虫によって果実の汁が吸われ、スカスカの状態になり、味が非常に悪くなります。さらに被害が深刻化すると、果実が変色して落下することもあります。

そのため、かんきつ類は年20回以上の農薬が散布されているのが現状です。

日本の基準は諸外国に比べて緩い

日本には残留農薬の厳しい基準があり、基準値を超えた作物は販売できないことになっています。しかし、その基準は世界水準に比べると緩いのが実情です。過去には、温州みかんの残留農薬の基準値がEUの基準を超えていたため、輸出できなかったケースもあります。

審査基準を満たしているので口にしても問題はない

日本では農薬を登録するときに人や生態系、環境への影響がないかの厳しい審査を行い、作物が出荷するときにも残留農薬の検査を行っています。これらの検査をクリアしていれば、毎日食べても問題ないと言えますが、絶対に安全とは言い切れません。

かんきつ類の栽培を妨げる病害虫

かんきつ類の栽培を妨げる病害虫は以下のものがあげられます。これらから果物を守るために農薬は必要なのです。

かんきつ類の病気

  • 黒点病
  • そうか病
  • 灰色かび病
  • 貯蔵病害
  • かいよう病

かんきつ栽培を妨げる害虫

  • カイガラムシ
  • アザミウマ
  • ミカンサビダニ
  • ミカンハダニ
  • カメムシ

などがあります。このほかにも、かんきつ類に被害を及ぼす病害虫は多数あります。これらの病害虫を放置したり、防除に失敗したりすると、果実が収穫できなくなるほか、病害虫におかされ、枯死してしまいます。

有機栽培のかんきつ類を選ぶべき?

有機栽培は、人工的に合成された化学肥料や農薬の使用を禁じられている栽培方法です。そのため、有機栽培で作られたみかんやレモンなどのかんきつ類は、化学物質の影響を受けていません。どうしても残留農薬が気になる方は、有機栽培のかんきつ系を選ぶことをおすすめします。有機栽培かどうかは、「JASマーク」を目印にしてください。

有機栽培のかんきつ類と通常のかんきつ類の価格の違い

有機栽培のかんきつ類は、栽培に手間がかかります。そのため、化学合成の肥料や農薬を使用している一般的なかんきつ類よりも割高です。みかんの価格で見てみると有機栽培のみかんは10kgで5,000円前後、通常のみかんは10kgで3,000円前後となっています。

豊作か不作かによって価格は変動するので、あくまで目安ではありますが、2倍近い料金に。普段の買物ついでに買うとなるとためらってしまいそうな金額です。

有機栽培にも農薬が使われている?

化学肥料や農薬が使われていないとして人気がある有機栽培ですが、実は農薬の一部は使用が認められています。化学合成されていない天然成分の肥料や農薬などを使っても有機栽培として販売可能です。そのため、有機栽培とはいえ農薬を除去することが大切。

また、強力な農薬を使っていない分、有機栽培の作物は細菌や害虫が付きやすい状態です。十分に洗ってから食べましょう。

かんきつ類についた残留農薬の落とし方

みかんやレモンなどのかんきつ類は基準を満たしているとはいえ、農薬が気になってしまう方も多いのではないでしょうか。ここでは、残留農薬の落とし方を紹介します。

まずはしっかりと水洗いを

一般的に行っている方法の水洗い。かんきつ類は基本的に皮をむいて食べる場合は、水道水で洗うだけで充分です。残留農薬の心配はほとんどありません。

ただし、水洗いだけでは残留農薬を完全に落とすことはできません。かんきつ類の皮ごと調理して食べる場合には不十分といえるでしょう。

塩で洗う

塩を使用して皮に付着した残留農薬を除去します。塩を手にとり、皮の表面を揉みましょう。レモンやグレープフルーツなどの皮が硬いかんきつ類であれば、たわしを使ってこすってもOKです。その後は、熱湯でさっと茹でて、冷水で洗い流します。

重曹で洗う

食用の重曹を使用して残留農薬を除去します。ボウルにみかんやレモンなどのかんきつ類を入れて、果実が浸るくらいたっぷりと水を投入。そこへ重曹を大さじ1杯ほど入れて1分程度浸けます。その後、取り出してスポンジで洗い、水で流してください。

野菜用洗剤で洗う

野菜用洗剤を使用して残留農薬を除去します。食器用洗剤でも用途欄に「野菜・果物」と記載があれば使用可能です。食器を洗うようにスポンジに洗剤をつけて洗います。洗い終わった後は、水で洗い流せば完了です。

ただし、「野菜・果物を洗うときは5分以上浸けない」「流水の場合は30秒以上、ため水の場合は水をかえて2回以上すすぐ」と書かれている洗剤もあります。使用する洗剤の記載をしっかりと確認しましょう。

茹でる

沸騰したお湯で20~30秒ほど茹でるのも残留農薬を除去するのに有効です。茹でた後は、傷まないようにすぐ氷水に浸けて冷やします。最後に水で洗い流して終わりです。

水素水という新しい方法も

皮などを調理したいけど残留農薬が気になる方は、水素水に浸けるという方法をおすすめします。水素水の還元力と浸透力によって、農薬を効果的に除去できます。

みかんの皮にはこんなに栄養があった!

通常みかんを食べる際は皮を剥いて、皮の部分は捨ててしまうと思いますが、実はミカンの皮にはたくさんの栄養素があります。ここではミカンの皮の栄養素について説明していきます。

ビタミンC

ビタミンCは細胞間を結ぶコラーゲンを生成するのに不可欠な成分です。ビタミンCをしっかり摂取することにより、皮膚や粘膜を健康維持に保てます。また、病気やストレスへの抵抗力を高めたり、鉄の吸収を良くしたりする効果にも期待できるのだとか。抗酸化作用もあり、活性酸素から体を守る働きもしてくれます。そのため動脈硬化や心疾患の予防にも期待できるそうです。

βカロテン

β-カロテンは活性酸素を除去する抗酸化作用や、免疫力を高めてくれる働きがあるのだとか。β-カロテンを豊富に含むみかんを摂取することで、病気のリスクを低減してくれます。

へスぺリジン(ビタミンP)

ヘスペリジンはポリフェノールの一種です。柑橘類の皮や袋、スジなどに多く含まれています。毛細血管を強化してくれる作用が発見され注目されました。またヘスペリジンは、「ビタミンP」とも呼ばれているそうです。

ペクチン

ペクチンは食物繊維の一種。食品の成分は、そのほとんどが体内で消化酵素により消化され、小腸で吸収します。しかし、食物繊維は消化酵素で消化されずに、大腸まで到達することで、腸内環境を整える効果を発揮してくれるのです。

クエン酸

運動後やストレスなどで、蓄積された疲労物質の乳酸を炭酸ガスに分解し尿として排出する作用があるクエン酸。乳酸は筋肉痛の原因とされているため、筋肉痛の予防にも効果を発揮します。またクエン酸は、血液のph値を高めて弱アルカリ性のサラサラな血液へと変える効果にも期待できるそうです。

βクリプトキサンチン

β-クリプトキサンチンは骨粗しょう症リスクを軽減できる成分。血中の濃度を高めることで、骨粗しょう症の発症リスク低減が確認されたそうです。β-クリプトキサンチンを多く含むみかんを食べることで、骨の健康維持に効果が期待できるといえます。β-クリプトキサンチンとビタミンCの摂取量が多いほど発症リスクが低くなるのも見逃せないポイントです。

水素水で残留農薬を洗浄しましょう

水素水の浸透力を利用することで、効果的に残留農薬を除去できます。みかんやレモンなどのかんきつ類の皮には多くの栄養がありますが、汚れや残留農薬の存在が気になりますよね。食品衛生法に基づいて残留農薬の基準は決められていますが、口に入れるものなので気になる方も多いでしょう。

農薬は果物や野菜を栽培のために必要なものです。とはいえ、収穫された時点で農薬は役目を終えています。身体に影響がない濃度とはいえ、できるだけ残留農薬を除去した状態で食べるのがおすすめです。

残留農薬を除去する方法は、水洗をはじめ、塩や重曹で洗うなどがあります。しかし、皮の奥に浸透している残留農薬はなかなか除去できません。水素水なら浸けておくだけで、かんきつ類の皮に付着している残留農薬を簡単に除去できます。浸けている間に他のことができるので、時間の節約にも◎。もともと人が飲んでも問題ないものなので、身体への影響もなく安心です。

※水素水の農薬洗浄試験で実証されているのはクロロタロニルという農薬です。