menu
目次
ぶどうは果実類のなかでも病害虫の被害に遭いやすいため、多くの農薬が使われます。
アメリカでは2017年の残留農薬ランキングではワースト6位にぶどうがランクインしており、農薬に晒されるリスクが高いことが分かっています。
ぶどうは気候の影響も受けやすく、天候不順な年には甚大な被害を受ける、べと病という病気が発生することがあります。
被害がひどくなると農家にとっては収入が得られないという壊滅的な状況になります。また、巨峰は高級果物で外観が重視されるため、虫食いや病気の害を及ぼさない対策が必要になります。そのため、農薬はどうしても必要になります。
日本国内で使われている農薬の使用基準値は世界基準に比べると緩く、多くの農薬が使われている傾向にあります。EU諸国で検出された農薬に比べて、危険性の高い農薬が使われているケースもあるため、私たち消費者は農薬を以下に除去するかが大切なポイントとなってきます。
ぶどう栽培において最も深刻な病気と言われています。気温が高く、梅雨が長い年に多発しやすく、農薬の散布が遅れると甚大な被害に繋がります。梅雨時期から7月上旬が重要な時期で、農薬の散布が必須となります。その後も9月上旬まで農薬の定期的な散布が必要となります。
梅雨が長い年に多発する病気で、果実に感染すると収穫が不可能になります。発芽前の時期から予防的に農薬を散布することで被害を軽減できます。
葉に感染する病気で、早期に葉を落下させてしまうため、光合成不足により果実に栄養が行き渡らなくなってしまいます。
巨峰では感染が少ないですが、欧州系の品種に起こりやすい病気です。休眠期に農薬を散布し、生育期間中はべと病や晩腐病と同じ対策で防除をします。
そのほか十数種類以上存在します。これらの害虫は翌年の伝染源にもなるため、収穫後の農薬散布も徹底する必要があるとされています。
どうしても農薬が気になるという方は有機栽培のぶどうを選ぶという選択肢もあります。
有機栽培は、「有機JASマーク」制度の基準を守っている農家にのみ認められるもので、違反すると厳しい罰則が設けられているのが特徴です。基準を守ることで安全性を高められ、ブランド価値も高められます。有機栽培認定されたぶどうが欲しい場合は、有機JASマークを目印にしましょう。
有機栽培のぶどうの価格は1kg2,000円前後、通常のぶどうは1kg1,000円前後になっていて、その価格差は約2倍に。
有機栽培でぶどうを育てるのは難しく、手に入れるのに時間がかかりますし、収穫量も少なくなるため出荷数が減ります。その分、通常のぶどうと比べて価格が高くなってしまうのです。
有機栽培されたぶどうでも農薬が使われている可能性はあります。それは、農林水産省が基準を制定している有機JASマーク制度で使用が禁止されているのは、化学合成された肥料と農薬のみだからです。
つまり、天然成分の肥料や農薬は使用可能ということ。天然成分でも農薬には変わりないので、有機栽培されたぶどうも、きれいに洗う必要があります。
ぶどうは他の果実類に比べて残留農薬の量が多いことで知られていますが、その大半は皮に付着しています。そのため、皮を剥いて食べれば農薬を口にするおそれはほとんどなく、それほど神経質になる必要はないでしょう。
ただし、海外では皮ごと食べるのが一般的なので、外国産のぶどうの中には皮がむきにくいものも存在します。皮をきれいに取らないと残留農薬を口にしてしまう可能性もあるので、外国産のぶどうは農薬を落としてから食べるようにしましょう。
ここではぶどうの残留農薬の落とし方を4つ紹介します。
外国産に限らず、昨今では皮のまま食べられるぶどうが増えてきています。そのため、農薬が気になるという方は食べる前にきれいに洗い流すのがおすすめです。
農薬は水溶性のものが多いので、基本は流水で洗い流せばOK。たださっと水をかけるだけでは意味がないので、30秒ほどかけてスポンジや手で洗いすると安心です。
水溶性でない農薬を使っている場合、流水で洗っただけでは残留農薬を十分に落とせない可能性があります。
そんなときは野菜洗い専用洗剤を使うのもひとつの方法。流水よりも洗浄効果が高く、よりきれいに落とすことが可能です。
ただ、商品によっては洗剤成分が残留するおそれがあるため、安全な商品を見極めて使用する必要があります。
掃除などにもよく使われる重曹や酢水は殺菌および洗浄能力に優れているため、野菜や果物を洗うのに適しています。
落とし方も簡単で、水を張ったボウルなどに適量の重曹または酢を入れ、その中にぶどうを入れて約1分ほど放置した後、流水で洗い流すだけでOK。
酢はもちろん、重曹も少量なら人体に害を与える可能性はないので安心です。
ここまで紹介してきた方法は昔からある農薬の落とし方ですが、最近特に注目されているのが水素水を使って洗浄する方法です。
流水では落としきれなかった農薬を取り除く効果が期待できる上、もともと飲用水として用いられていることから、安全性は抜群。
落とし方も重曹や酢水同様、水素水でつけ置き洗いするだけなので手間がかかりません。
水素水には優れた抗酸化作用が認められることから、現在農業分野での採用も研究されており、収穫したぶどうの洗浄にはもちろん、栽培への活用も期待できそうです。
最近は水素水を簡単に使えるウォーターサーバーも普及しているため、誰でも水素水洗浄を始めることができます。ぶどうの残留農薬が気になる方は一度試してみてはいかがでしょうか?
ぶどうにはたくさんの栄養がつまっています。実と皮と種にもそれぞれ栄養があるので、詳しく見ていきましょう。
動脈硬化や脳卒中予防効果が期待されるビタミンCやビタミンEが多く含まれています。
果実に含まれるブドウ糖や果糖はエネルギー化されやすいという特性があるので、夏バテや疲労回復の水分補給・栄養補給にも有効です。
また利尿作用があり摂取しすぎたナトリウムを排出しつつ、血圧の安定化に効果があるカリウムも含有。身体に良い成分が詰まった果物だといえます。
皮には「アントシアニン」や「ベラトロール」といったポリフェノールの一種が含まれています。ポリフェノールには、強い抗酸化作用があるため、体の老化を防ぐといわれているのだそう。また活性酸素による発がんの抑制効果にも期待できます。
近年は皮ごと食べるぶどうも増えてきています。皮を剥く手間もなく、ポリフェノールを効率的に摂取できるので理想ですよね。もし残留農薬が気になる場合は先程書いた通り、皮に付いた農薬を落としてしまうと良いでしょう。
1947年にジャック・マスケリ博士がOPC(オリゴメリックプロアントシアニジン)を「ぶどうの種」と「フランス海洋松の樹皮」から発見しました。
優れた抗酸化成分で、浮腫やアレルギーなどに効果的とされており、コラーゲンの生合成を促す作用もあります。体内への吸収率が高いため活性酸素の除去作用に優れているのだそう。日本では「血管の強化」「美白効果」があるとして注目を浴びています。
赤ワインは皮と種まで使って抽出しているので、OPCが豊富に含まれており、ポリフェノール効果で美容健康に良いといわれています。
ぶどうは病気や乾燥を防ぐために表面にブルームという白い粉を付着させるのが特徴です。白い粉がしっかりと付いているものは、健康に育ったという証拠です。
ぶどうを選ぶ際は、茎の太さにも注目してください。他のぶどうと比べると、茎が太いものは健康に育った証拠。さらに、みずみずしさがあれば完璧です。
皮の表面の色に注目してみましょう。色がより濃いものの方が甘い傾向にあります。またマスカットのような黄緑系のぶどうについては、少し黄色がかったものの方を選んでください。
※水素水の農薬洗浄試験で実証されているのはクロロタロニルという農薬です。