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農薬はラベルの記載通りに使用すれば、安全性が保証されています。たしかに劇薬とよばれるものが入っているので、危険なものと感じられるかも知れません。しかし、健康に対する化学物質の影響は、化学物質の有害性と暴露(ばくろ)を受ける化学物質の量で決まります。
毒性の強い化学物質であっても、暴露=身体に取り込まれなければ影響はありません。一方で毒性の弱い化学物質でも大量に暴露されると影響が出る可能性もあります。使用方法を守れば、適切な濃度になるので健康への被害はないと考えられるでしょう。
農薬も一般の化学物質と同じで、毒性に応じて「毒物及び劇物取締法」により「毒物」と「劇物」に区別されています。毒物のなかでも毒性の強いものが「特定毒物」に指定されており、厳しく規制されているのです。つまり劇物や毒物でも、登録に従って適正に使用すれば、農産物の安全性は保たれます。残留濃度は一日摂取許容量を基に設定されており、使用環境中において毒物や劇物が悪影響を与えることはありません。
また農薬の毒性の低減化が進んだ結果、比較的毒性の低い普通物の割合が高まっています。2007年には、生産された農薬のうち生産金額割合で81.7%が普通物・ 17.3%が劇物・毒物は1.0%・特定毒物は0.001%というデータも出ています。
残留農薬についての健康被害は神経質になる必要はありませんが、まったく気にしなくていいというわけではありません。被害の可能性があることを以下にまとめました。
用法用量を守って正しく使われた場合は問題ありませんが、間違った使い方をした場合は、健康被害が起こる可能性があります。
農薬はだいたい低濃度なので、単体の使用で問題が起こることはありませんが、複数の薬剤が使用されている際は要注意です。製造元もあらゆる可能性を考慮して安全性を確かめていますが、すべてを網羅するのは難しいでしょう。
化学物質過敏症でアレルギー症状が出るケースもあります。また、「農薬は毒」という思い込みによって症状が出る場合もあるのだとか。とはいえ、通常は農薬を大量摂取したり慢性的に浴びたりしなければ、このような心配はあまりありません。