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メロン

メロンの栽培に農薬が必要な理由

メロンのイラスト

高級果物のイメージがあるメロン。みずみずしい果汁とのど越しの良さが魅力で、風邪をひいたときなどに食べたくなりますね。

メロンは、国産・外国産の両方売られていますが、日本における主なメロンの生産地は茨城県、北海道、熊本県です。もともとはアフリカが原産地でヨーロッパを経て日本に入ってきました。

メロンの栽培法にはガラス温室、ビニールハウス、トンネル栽培、露地栽培などがありますが、国内ではおもにハウス栽培とトンネル栽培で作られています。

メロンは農薬を使わなければならないような条件では生育しないため、いちごやリンゴのように多量の農薬を使うことはありません。しかし、それでもメロンを襲う病害虫は存在するため、完全な無農薬栽培は難しいようです。

日本の農薬基準は世界基準よりも緩い

メロンは皮が厚く、残留農薬はさほど気にしなくても良いと言われていますが、そうは言っても日本の残留農薬基準は世界基準に比べると緩めです。

2014年には、日本のメロンを台湾に輸出する際、残留農薬基準を大幅に上回っていたという残留農薬基準違反も起こっています。

メロンの栽培を妨げる病害虫

メロンがかかる病気

モザイク病

葉を萎縮させたり、モザイク状の濃淡をもたらしたり、果実の変形をもたらす病気です。

うどんこ病

葉がうどん粉をかけたように白カビに覆われる病気です。葉、茎、まれに果実にも発生します。多発すると枯れてしまいます。

えそ病

葉、茎、果実、根と全体にわたり褐色の斑点をもたらします。ひどくなると枯死します。

つる割病

葉がしおれ、茎や葉が黄化、しおれてしまう病気です。

べと病

葉に斑点ができる病気です。ひどくなると灰色のカビが生じます。

つる枯病

葉、果実、節部などに緑褐色、水浸状の斑点が生じ、後に褐色の大型斑点ができてしまいます。

メロンを襲う害虫

メロンはウリ科の植物に寄生する虫の被害にあいやすいです。代表的な害虫は以下の通り。

  • 葉を食害するワタヘリクロノメイガ
  • 葉の裏に寄生して吸汁するワタアブラムシ
  • 根や葉を食害して枯死にもたらすウリハムシ

ただし、これらは寒冷紗やシルバーポリマルチで覆うなどすれば対策が可能で、農薬を使わなくても防除しやすいようです。

有機栽培のメロンを選ぶべき?

農薬の心配のないメロンを選びたいという方は、有機栽培されたメロンをおすすめします。北海道で栽培されているものが多く、ネットで産地直送のメロンを注文することも可能です。

有機栽培の基準は厚生労働省が取り決めており、その基準に従ってメロンを生産する農家だけに認可がおりています。

有機栽培のメロンには「有機JASマーク」が付いているので、購入する際の目安にするといいでしょう。

有機栽培のメロンと通常のメロンの価格の違い

有機栽培されたメロンの価格は1玉3,000円前後ですが、通常のメロンは300円程度で購入できるものもあります。また、農薬を使用しているものでも数千円で売られることも。

この価格差は、生産方法やランクで決まっています。有機栽培なら作り上げるまでの労力はもちろん、「農薬を使用していない」という付加価値が付くわけです。

農薬を使用している物でも形や網目などの見た目でランクが高ければ高級品として扱われます。メロンは贈答品として利用されることが多いので、見た目が良いほど高くなる傾向にあるようです。

有機栽培にも農薬が使われている?

有機栽培されたメロンといっても、完全無農薬で育てられていない可能性があります。有機栽培で禁止されているのは、「化学合成された肥料や農薬」だけ。

天然成分で作られた農薬を使用しても有機栽培として販売でき、無農薬なわけではありません。そのため、有機栽培・農薬栽培に限らずメロンを食べる際には、きれいに洗う必要があります。

メロンの残留農薬を取り除くには

皮に近い果実を食べなければ心配はない

メロンはほかの果物に比べると残留農薬の量は少なめです。日本の残留農薬基準が緩いとはいえ、農薬が残留しているのは皮の表面です。

メロンは皮を残して食べるので、表面を水洗いし、皮から1センチほどの果実は食べないようにすれば農薬が入る心配はほとんどないでしょう。

気になる場合は野菜用洗剤を使おう

食器用洗剤の中には、農作物の洗浄にも使える洗剤があります。商品の用途を見ると確認できるのでチェックしてみるのも良いでしょう。また農作物専用の洗剤として、ホタテの貝などを原料とした洗剤も売られているので、併せてそちらも見てみてください。

皮を食べる場合は水素水洗いがおすすめ

ただ、メロンに洗剤を使うのはちょっと…、という方も多いでしょう。そんな方におすすめなのが、水素水。

水素水の洗浄力と浸透力が皮の奥深くまで入っていき、メロンの皮の残留農薬を洗浄してくれるのです。方法はいたって簡単で、残った皮を水素水の溜まったボウルの中に浸けておくだけ。農薬用の洗剤と違い、水素水なので口に入れても大丈夫なので、小さいお子さんがいる家庭でも安心して使用することができます。

水素水の中には農薬除去に関してしっかりとエビデンス(証明)のあるものもあるので、できればそちらを使うのが良いでしょう。

水素水の農薬除去について
詳しく知りたい方はコチラ

メロンは皮も食べることができる?

実はメロンの皮も食べることができます。メロンの皮にはβカロテンが豊富に含まれていて、このβカロテンには皮膚や目の粘膜を健康に保つ効果があるそうです。調理法としては、漬物やきんぴらなど。

実はメロンの皮は栄養が豊富

メロンの皮には美肌効果が期待できるβカロテンや、ストレス軽減に効果を発揮するギャバが含まれています。また、さまざまな効果に期待できるシトルリンも含まれているのが特徴です。それぞれの特徴を以下にまとめました。

βカロテン

βカロテンは、摂取するとビタミンAに変換されます。ビタミンAに変換されたβ-カロテンは、血液によって身体中へ運ばれます。皮膚や目の粘膜を健康な状態に保つのに役立ってくれるそう。ビタミンAは抗酸化力があるため、アンチエイジングの効果が期待できます。

ギャバ

GABAの効果として挙げられるのが、リラックス効果です。副交感神経を活性化させることで、体と心をリラックス状態にしてくれます。その結果、ストレスが原因で起きる症状や、悪い影響を防ぐ効果もあるそうです。また、更年期障害のように、原因不明で体調がすぐれないといった不定愁訴(ふていしゅうそ)の症状を改善してくれます。

シトルリン

  • 血流を改善して冷えやむくみを解消

シトルリンを十分に摂取するとオルニチン回路を活性化し、一酸化窒素が増えるため運動パフォーマンスが向上します。その結果、血流をスムーズにし、冷えやむくみの症状の改善に繋がるのです。血流が良くなれば、動脈硬化の進行の抑制や、脳の血流促進によって集中力や記憶力の向上にも期待できるといわれています。

  • 肌を保湿

シトルリンは肌の潤いを保つための天然保湿因子のひとつ。シトルリンを十分に摂取することで、血流改善効果が得られ新陳代謝が活発になります。そうすることで、肌のターンオーバーも促進。また、抗酸化作用もあり、肌を酸化ストレスから保護してくれます。

美味しいメロンの皮レシピ

メロンの皮の漬物

メロンの皮と実の中間を使います。薄くスライスして重量の2%の塩を振りましょう。冷蔵庫で1時間冷やしたら完成です。塩加減は好みで加減をしてください。

メロンの皮のキンピラ

メロンを洗って皮を厚めに剥いで千切りにします。油を入れて熱したフライパンで軽く炒めて、めんつゆを回し入れてさらに炒めましょう。仕上げに炒りゴマを加えて、好みでラー油を数滴投入。全体的に混ぜたら完成です。

メロンの皮のジュース

皮つきのメロンを丸ごとスロージューサーに投入すれば、硬い皮ごとすりつぶせます。栄養価のある皮を丸ごと摂取できる方法です。

※水素水の農薬洗浄試験で実証されているのはクロロタロニルという農薬です。