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2020年の東京五輪を控える日本。実は、密かに問題視されているのが「世界第3位の農薬使用量」という実態です。
私たち日本人は、「国産野菜は安心」という安全神話を信じていますが、日本の農薬の使用基準は諸外国よりも緩く、なかには他の国では使用が禁止されている農薬も使われています。
安全だと思われている有機野菜も「無農薬」ではなく、天然に存在する肥料や農薬を使って栽培されています。
こうしたことから、日本の野菜の安全性に疑念を抱く人も多く、日本の農産物に安全性や疑念を抱いている国もあるくらいです。諸外国からは「日本は農薬の使用量が多い国」というイメージが根付いてしまっているようです。
日本が数多くの農薬が使われている背景には、日本の温暖多雨な気候が挙げられます。
害虫やカビなどが最も発生しやすい気候なので、農薬の使用は避けられないのです。また、虫食いがある農作物を敬遠する人も多いので、必然的に農薬の量が増えてしまう傾向にあります。
単純に農薬の使用量を全耕作面積で割った比較だと、日本での農薬使用量はアメリカの7倍に及びます。
しかし、アメリカは農薬使用量の少ない作物を栽培する割合が大きい国で、作物ごとに比較すると、日本の方が農薬使用量が少ない食品もあるのです。
例えば、ブドウに限った農薬使用量で言えば日本はアメリカの2/3になっています。
こういった見方をすると、日本の農薬使用量は決して過剰ではないことが見えてきます。「国産の野菜だからダメ」と短絡的に思う必要はありません。
日本の農薬使用量が世界トップ3であることは事実なので、「国産だから安心」という思い込むのは危険です。
しかし、残留農薬については然るべき検査があり、基準値を超えるものが市場に出回る可能性はほぼないということもまた事実です。
もし完全な無農薬野菜だけを使うとなると買うのも大変ですし、高額なので家計を圧迫してしまいます。農薬を完全に避けて暮らすのは、あまり現実的ではないですね。
そのため、私たち消費者は農薬とどう向き合っていくかを考えることが大切です。
農薬は単純に悪いわけではなく、農薬を使うメリットもあります。農薬を使い、害虫や菌を防ぐことで、食べた人が病原菌や虫から細菌感染するリスクを避けられるのです。
世の中には絶対に安全な食べ物はそうありません。ですから、自分の目的の範囲内で、できるだけ安全と考えられる食品を選び、さらに、農薬をできるだけ除去する方法を知ることが大切です。