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桃の栽培に農薬が必要な理由

桃のイラスト

桃は元々中国が原産地で弥生時代に伝わってきました。現在、日本ではさまざまな品種改良が行われ、ほとんどが日本独自の品種になっています。

「桃栗三年、柿八年」という言葉があるように、桃は収穫までに3年程かかる農作物です。そのため、今では生育を早めるような農薬が使用されるようになりました。

日本の農薬基準は世界基準よりも緩い

桃に限らず、野菜や果実に使われる農薬は、毎日摂取しても健康に被害が及ばない量とされています。また、残留農薬のモニタリング調査も行っているため、危険性は低いと言えます。

しかし、日本の農薬基準値は世界基準よりも緩く、他国では規制されているような薬剤や、散布量が認められているのも事実です。

桃の栽培を妨げる病害虫

桃がかかる病気

縮葉病

若い葉が赤くなり、縮れる病気です。ひどくなると葉全体がカビで覆われて落ちてしまいます。予防のためにオーソサイド水和剤といった農薬を散布します。桃がよくかかる病気の代表例です。

灰星病

果実の収穫直前に淡褐色、水浸状、円形の病斑が起こる病気です。大量発生すると、収穫量が大幅に減るなど、甚大な被害に繋がります。比較的、農薬が効きやすいですが、耐性菌もできやすい、厄介な病気です。

桃を襲う害虫

  • 幹や枝を食い荒らすコスカシバ
  • 葉を食害するモモハモグリガ
  • 実に潜り込んで食害するシンクイムシ

などが代表的な桃の害虫です。早めに果実に袋をかけることで害虫の害を最小限に抑えることができますが、やはりそれだけでは不十分です。適切な時期に農薬を散布することが、害虫防除の一番の対策となります。

桃の安定供給には農薬はかかせない

このように、桃は病気や害虫に弱いため、殺虫剤や殺菌剤などの農薬を使わないと生育不良に陥り、食べられるような桃を作るのは困難です。生育の調整だけでなく、病害虫の防除をするためにも必要最低限の農薬が使われています。

農薬が不安な人は有機栽培の桃を選ぶべき?

農薬が気になるという方は、有機栽培された桃を視野に入れてみても良いかもしれません。桃は病害虫の影響を受けやすい果物なので、有機栽培で育てるのは至難の業です。それでも、創意工夫を行ない有機栽培に成功してる農家もいくつかあります。

有機JASマークをチェックしよう

厚生労働省が厳格に取り決めた基準に従い、登録認証機関が検査を実施し、合格した農家だけが「有機JASマーク」を使用可能。有機栽培の桃を探す場合は、有機JASマークを目印にすると良いでしょう。

有機栽培の桃と通常の桃の価格の違い

有機栽培の桃は3玉で7,000円前後、通常の桃は3玉で1,000円前後だと考えると、約7倍の差があります。

有機栽培だと病害虫が発生した場合、出荷ができなくなるリスクがあり、収穫数も少ないことから1玉あたりの単価が高くなるのです。また、希少性が高くなかなか手に入らないため、どうしても欲しい場合は見つけた時点で購入することをおすすめします。

有機栽培にも農薬が使われている?

育てるのが困難といわれる有機栽培の桃ですが、肥料や農薬をまったく使っていないわけではありません。

有機栽培の基準として、天然成分の肥料や農薬の使用が認可されているからです。化学合成された農薬よりも毒性は低いとされていますが、天然成分のものでも殺菌・殺虫効果はあります。

そのため、有機栽培だとしてもしっかり洗うことは欠かせません。育て方に関係なく、桃を食べる際はしっかり洗ってください。

桃の残留農薬を取り除くには

桃の栽培には農薬が欠かせないことがわかりましたが、気になるのは桃に付着した残留農薬の存在ですよね。いくら基準を満たしていると言われていても、実際目に見えないものだし、気になりだしたらきりがありません。

また、農薬は供給された時点で役目を終えているので、除去してしまってもなんの問題もありません。どうやったら桃の残留農薬を取り除くことができるのか、まとめました。

しっかり皮を剥く

桃の残留農薬は日本でワースト4位となっています。残留農薬を取り除くためにも、しっかり皮を剥いてから食べるようにしましょう。愛知県衛生研究所の検査によると、皮むきにより86%の残留農薬が除去できることが分かっています。

流水で洗う

また、一部の農薬は水溶性で果肉への浸透性が高いものもあるため、水洗いも一緒に行うと、より多くの残留農薬を除去できるでしょう。

ただ、桃は非常に痛みやすい果物なので、ゴシゴシと洗ったりしないように注意をしましょう。

皮ごと食べたい場合は水素水が効果的

桃は皮を剥いて食べるのが一般的ですが、実は皮ごと食べても大丈夫。しかも皮にはカテキンが含まれています。カテキンには抗酸化作用があるため、若さを保つにはもってこいです。その他、ビタミンEやビタミンC、ナイアシン、カリウムが豊富に含まれています。

その際におすすめしたい農薬除去方法が水素水。水素水の還元力と浸透力で桃の表面に付着した農薬を、キレイに除去してくれるのです。ゴシゴシ洗わなくてすむので、痛む心配もありません。手軽に誰でも始めることができるので、ぜひ試してみてはいかがでしょう?

桃の皮には栄養がいっぱい

上でも述べましたが、桃の皮にはカテキンという成分が豊富に含まれています。効果を以下にまとめました。

抗酸化作用

カテキンには活性酸素を除去する働きがあり、老化や病気の予防に役立ってくれます。スーパーオキシドや一重項酸素(いちじゅうこうさんそ)といわれる活性酸素を無毒化してくれるそうです。

抗ウイルス作用

カテキンは細菌やウイルスの抑制にも効果があるといわれています。カテキンを摂取すると細胞が活性化し、ウイルスがつきにくくなるため、細胞内で増殖できなくなるのだとか。結果的に風邪予防に役立つのです。

コレステロール抑制作用

食事中のコレステロールの吸収を抑えて、排出を促します。動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞の原因になるLDLコレステロール(悪玉)。カテキンを摂取することでLDLコレステロールのみを抑制し、HDLコレステロール(善玉)には影響しないので安心です。

血糖値の上昇抑制作用

食後に腸からの糖の吸収を抑える働きをしてくれます。血糖値は炭水化物を摂取することで、上昇します。たとえば、ご飯やパン、麺類など糖質を多く含む食品で巣。また菓子類や果物などでも上昇するとのこと。食前に取り入れることで、腸からの糖の吸収を緩やかにしてくれます。

殺菌作用・抗菌作用

カテキンには抗菌作用があります。食中毒の原因菌であるO-157(腸管出血性大腸菌)をはじめ、胃潰瘍や胃がんの原因となるピロリ菌の増殖も抑えてくれるとのこと。食中毒予防や胃潰瘍予防に効果的です。

虫歯・口臭予防

虫歯の原因であるミュータンス菌の増殖を抑えてくれます。そうすることで、虫歯や口臭の予防に繋がるのです。

肥満予防

一定量のカテキンを摂取を継続すると、肝臓での脂質代謝が高まります。エネルギー消費が高まることで、体脂肪が減少。さらに食事性脂肪の燃焼を上昇させます。カテキンの摂取によって消費エネルギーが増加し、肥満予防につながるのです。

このように桃の皮には栄養がたっぷり。できるなら農薬を洗浄した上で皮ごと食べることをおすすめします。

※農薬洗浄試験で実証されているのはクロロタロニルという農薬です。