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赤ちゃんは農薬を口にしても大丈夫?

小さな子どもへの影響は強く早産や出生体格の低下などが報告されている

赤ちゃん

野菜や果物に付いているシロアリ・アブラムシ・カメムシなどの害虫を駆除するために、これらの害虫の神経機能を麻痺させるタイプの農薬が使用されています。

それにより、同じ神経系の仕組みを持つ人間の体にも、中毒症状がでてくると報告されています。母体への影響も強く、早産・出生体格の低下・出生性比異常や発達障害など、様々な事例が報告されています。[注1]

北海道大学では、出生後にも農薬が強い影響を可能性を提示。なかでも有機塩素系農薬は、残留濃度が半減するのに長い期間が必要です。

そのため、出生後の赤ちゃんの神経の発達や感染症アレルギーにも影響を与えるといわれています。[注2]

胎児期に影響のある有機リン系農薬の残留濃度を、小麦を使って調理別に調査した例があります。論文によると、160℃で3分間揚げたり、170℃~190℃で40分焼いたりした場合は、50%以上の残存率を示しています。しかし、沸騰したお湯で7分間ゆでた場合50%以下あるいは、ほとんど残っていないという結果になりました。[注3]

このように小麦はしっかりと調理すれば、農薬の残留濃度を下げられます。

離乳食や流動食として活用しやすい小麦を原材料とした麺類は、子育て中の忙しいお母さんにとって心強い食材の1つですよね。調理法によって、赤ちゃんに安全に食べさせることができるなら、気を配ってあげたいところです。

ひとつ注意しなければならないのが、厚生労働省が定める農薬の残留濃度の基準は、平均体重が52~55㎏の人のデータを基にしているということ。[注4]

医学界において、妊婦・胎児・幼児を対象にした残留農薬の影響は、表に出てくる年齢が異なる可能性があることから、さらなる研究数が望まれています。

■参考サイト [注1]一般社団法人 日本農村医学会: 農薬暴露と出生障害について[pdf]

■参考サイト [注2]北海道公衆衛生学会: 殺虫用途の農薬への曝露とADHDを中心とした神経発達障害との関連についての疫学研究動向[pdf]

■参考サイト [注3]公益社団法人 日本食品衛生学会: 小麦の製粉及び調理加工後における有機リン系農薬の残留[pdf]

■参考サイト [注3]農林水産省: 農薬の基礎知識 詳細